「1 年生、初めての『参観日』と『引き渡し訓練』その1」の続きです。
地域ごとに時間が決められた参観日。
我が家は、1時間目。
雨が降ったり止んだりの中、小学校に到着。
時間よりちょっと早いが、ちらほら他の保護者もいるし、通りがかりの先生も普通に挨拶してくれたので、もう大丈夫と判断して、旦那と教室に向かった。
娘の教室
隣のクラスにはもう保護者がいたが、うちのクラスでは、私たちが一番乗りだった。
私が子供の頃の参観日や幼稚園では、先生から『じゃあ始めます。お入りください。』という合図があったんだけど・・今回は時間ごとに保護者がくる1日参観日だし(本来はフリー参観だったし・・)・・気にせず、勝手に入ってしまっていいんだろうか?
隣のクラスには、保護者がもう入っていたので、いいんだろうと判断して、先生にペコリと頭を下げて教室の中に入る。
朝の読書の時間らしく、みんな自分の机で、本を読んでいる。
ゆえの姿をさがすと、窓側の近くの席に座っていた。
まだ、私や旦那に気が付いていないようだ。
一応、真面目に絵本を読んでいる。
思わず顔が笑ってしまう。
こうしていると、一人前の小学生のような気がしてくる(笑)
(いや、そうなんだけどね。)
教室を見回すと・・何人か読書をしていない子もいた。
まあ、1年生だとそういう子もいるだろう。
目の前の男の子は、図工みたいにハサミでじょきじょき紙を切っているし、少し離れたところに座っている男の子はずっと何か絵を描いている。
チャイムがなると、一斉に本を読むのをやめて本をしまいに行く。
教室の後ろに置いている本を読んでいる子もいれば、図書館で借りた本を読んでいる子もいるようだ。
ゆえは、図書館で借りた本を読んでいたらしく、読んでいた本は、机の横に下げてある図書バックに入れていた。
この時になって、ゆえは、私と旦那が来ていることに気が付いたようだ。
にっこり笑って、私たちに手を振った。
娘が好きなAちゃん
この時になって、女の子が1人、先生に付き添われてドアから入ってきた。
ゆえがよく話しているAちゃんのようだ。
(一度話しかけられたことがあるので、顔は知っていた。)
Aちゃんの話を最初に聞いたのは、1学期のこと。
昼休みにえみちゃんたちとウンテイのところで遊んでいたら、えみちゃんが帽子か何かをウンテイの上の方にひっかけてしまい、高いところで取れなくて困っていたら、Aちゃんがひょいっと取ってくれたらしい。
状況はよくわからなかったが、えみちゃんでさえ取れないところでひっかけたものを取ってくれた、ということで、背が高いか、運動神経が良い子(又は両方)なんだろうな、とは思っていた。
そして、その後、その時、助けてくれたことで、Aちゃんのことが好きになったらしい娘。
たまにAちゃんの話をするようになった。
「Aちゃんがしんどそうだったの。すごくしんぱいなの・・」
「Aちゃんは、おおきなこえをだすのがとくいなんだよ。」
どんな子なんだろうと思っていたんだけど、娘が捻挫して小学校に送って行った時に一度だけ話すことでできた。
娘を送って行って、下駄箱で見送っていたら、背中をつんつんされて、振り向いたら女の子がいた。
背は高めで、キリッとした美人顔の女の子が、急に話しかけてきた。
名札を見て、ゆえが良く話しているAちゃんだとわかった。
「ゆえちゃんのママ?」
「そうだよ。」
「どうしてここにいるの?」
と、人懐っこく話かけてきた。
「捻挫して、まだ歩くのが大変だから送ってきたの。」
ふうん・・という感じで私の方を見て、握っている手を差し出した。
「なにがはいっているとおもう?」
「なんだろう?」
と、言うとぱっと手をひらいた。
手の中には数匹のダンゴムシ・・
うわー・・
「それどうするの?」
「きょうしつにもっていくの!」
と、ニコニコ。
えーっと・・
「えー、大丈夫なん?」
「きのうももっていったよ。○○くんにみせたら、ごみばこにすてたんだよ。ひどいとおもわない?」
えーっと・・どうなんだろう?
まあ、ごみ箱は良くないような気もするけど・・
たぶん虫が苦手な子だったんじゃないだろうか・・
『先生も大変だな~』と思いつつ、その場で別れた。
かなりのお転婆さんだな、と思った。
えみちゃんといいAちゃんといい、娘は、元気で積極的な子が好きみたいだ。
その後、ゆえから、校庭でダンゴムシがいっぱいいるところに案内してもらった、と聞いた(笑)
そういえば、ゆえもダンゴムシ好きだしね。
特別仲が良いという感じではないようだったが、たまにおしゃべりをするようだった。
そして、Aちゃんは、よく授業中に教室を歩き回って怒られているとか、テスト中に大声を出して、先生に『次、大きい声出したら点数減らすよ』と言われたのに大きい声を出して点数を減らされていた、という話を聞いていた。
私のイメージでは、人懐っこくて、お転婆な子なんだろうな、と思っていた。
Aちゃんは、ゆえのすぐ前の席だったが、入ってくると、ランドセルを椅子の上に置いて、その上に体ごと乗っかって、ゆらゆらしている。
あれ?
その後も椅子には座らず、歩き回ったり、教室に隅に置いてあった段ボールの中に入ったり自由に過ごしている。
運動会の時は、ゆえのすぐ近くに座っていてたまにお話している感じで、全く問題は感じなかったのだが、あまりじっと座っていられない子のようだった。
先生もたまに、
「Aさん、椅子に座りなさい。」
と、注意はするが、強引に連れ戻しにはいかない。
教室に入ってすぐ、私の顔を見ると、ゆえの席に行き、ゆえに、
「ゆえちゃんのパパとママ?」
と聞く。
下駄箱で会ったから、私の顔を覚えていたかな?
ゆえがうなづくと、
「ゆえちゃんとパパとママ~!」
と、元気にこっちに手を振った。
返事をするのはまずいような気がするので、とりあえず、手を振り返しておく。
ゆえからしたら、積極的に自分に話しかけてくれるということで、うれしいんだろうな。
Aちゃんに話しかけられて、ニコニコしていた(笑)
教室の様子
このクラスには、他にも、椅子には座っていても、みんなと同じことをするのが苦手らしい子が2人ほどいた。
たまにフォローの先生が来るが、ずっと付きっ切りではなく、各教室を歩いて回ってるようだった。
担任の先生も、他の子に作業させている間にさりげなくフォローにくる。
うーん・・先生も大変だな~
朝の読書が終わると、日番さんによる朝の挨拶と1分間スピーチが始まる。
公園でお友達と遊んだ、というような内容だったんだけど、スピーチが終わると、
「質問はありますか?」
と、先生が言い、何人かが手をあげて質問する。
「なにをしてあそんだんですか?」
「かくれんぼです。」
へえ、今はこういうことをするんだ、とちょっとびっくり。
ゆえは、特に手はあげていなかった(笑)
朝の会が終わると、支援級の先生がお迎えに来て、ひとりの男の子が立って先生のところへ行く。
「いってきます。」
と、挨拶をすると、全員で、
『いってらっしゃい!』
と、返して、その子は先生と支援級の方へ向かった。
今は、こういう感じなんだね。
国語の授業
その後、国語の授業が始まる。
基本的に漢字の練習に時間を割いている感じだった。
書き方と読み方を教えて、みんな、自分のノートの書く。
先生は、わざと間違った漢字を黒板に書いて、
「この字はあってますか?」
「どこが違うかわかる人?」
と、聞き、手を挙げて当たった子には前に出てきてもらって、違うところを差してもらう。
ちなみに、黒板の上にクラス全員の名前が書いてあるマグネットがあり、一度当てたら、少し下げて、どこ子が当たったのかわかるようにしてある。
なるべく違う子に発言してもらうためだろう。
色々考えているな、とちょっと感心する。
ゆえは、
「どこが違うかわかる人?」
には手をあげていたが(当たらなかったけど・・)、
「この漢字はどういう時に使いますか?」
という質問には手を挙げなかった。
というか、この質問に手を挙げる子は、少数派だった。
でも、この質問レベルが高くないか?
この時は『気』という字を習っていたんだけど、まずこの漢字を知っていないと答えられないと思うんだけど・・
『元気』とか『天気』とはわかる子は答えていたけど・・
でも、わかっている子はわかっているんだろうな。
おそらくだけど・・これは、もう先に進んでて、わかっている子も退屈しないような工夫なんじゃないかな。
初めて習う子は、この時に覚えるし、知っている子も退屈しないという感じなのかな。
色々考えてくれているみたいだ。
漢字の時間が終わり、授業中に書いた漢字ドリルを提出をする場面があったんだけど、ゆえは、一度立ち上がって、やってないところがあるのに気がついたらしく、すぐに座りなおして、慌ててドリルをやっていた(笑)
娘は、ギリギリ授業についていけている感じだな~
ちなみにAちゃんは、授業中常に歩き回っているか、段ボールの中に入っているか、本棚の本を引っ張りだして読んでいるかだったんだけど、他の子は、気にせずちゃんと授業に集中していた。
あと2人、みんなと同じことができない感じの子が、Aちゃんに誘われて一緒に段ボールで遊んだりもしていたが、他に一緒に遊んだり、という子もいなかった。
先生も、授業の合間に注意したり、少しでも漢字ドリルをやらせようとしていたんだけど、それは難しいようだった。
それでも、他の子はちゃんと授業に集中しているのは、さすがベテランの先生だな、とちょっと感心する。
ちなみにAちゃんは、椅子には座っていないけど、頭は良さそうだった。
先生が国語の教科書を読むときも、覚えているらしく、先生が読んでいる行の次の行を先生より先に言ったりしていたし(教科書は開いてなかったから、暗記しているんだろうな)、本棚の本もちゃんと読んでいる感じだった。
(娘から聞いていた『授業中に歩き回って』のレベルが想像していたのと違ってちょっとびっくりしたけど・・)
ゆえは、一見真面目に授業を受けているようだけど・・たぶん結構マイワールドに入っているような気がする。
漢字ドリル提出も、最後の方にようやく出しに行った感じだったし・・先生が国語の本を読んでいる時も、文章を追いかけているような感じしなかったし・・
まあ、それでも、小学校で楽しく過ごしているんだったら、よしとしましょうか(笑)
続きます。